━━━ (山行日記 1999年) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

・ コースの( )内は,当日各地点間の所要時間(途中の休憩時間を含む)を示しています。
 コースタイムは当日の気象条件や体調,メンバー構成などにより異なりますので,参考にされる場合は余裕を持って設定して下さい。特に「単独行」となっているものはハイペースであるため,3〜5割増以上の時間を考慮して下さい。
・ 山名は,国土地理院発行「日本の山岳標高一覧」に記載されている名称(地元で一般的に使われている名)を使用していますので,深田久弥選「日本百名山」の名称とは異なるものがあります。
 (例:東岳=悪沢岳,仙丈ヶ岳=仙丈岳)


 〔目次〕

・2月6日(土)【城山,葛城山,発端丈山】城山登山口〜三津長浜
・2月14日(日)【箱根 芦の湯,旧街道】元箱根〜芦の湯〜畑宿〜元箱根
・3月13日(土)【箱根 旧街道】甘酒茶屋〜元箱根
・5月3日(月)【箱根 金時山】足柄駅〜ギャツビィGC〜金時山〜金時神社
・5月15日(土)【天城山しゃくなげハイク】天城高原〜万二郎岳〜石楠立〜万三郎岳〜涸沢分岐
                   〜天城高原
・5月22日(土)【丹沢 檜洞丸】西丹沢自然教室〜ゴーラ沢出合〜檜洞丸〜犬越路〜用木沢出合
               〜西丹沢自然教室
・5月28日(金)【丹沢 檜洞丸】西丹沢自然教室〜ゴーラ沢出合〜檜洞丸〜犬越路〜用木沢出合
               〜西丹沢自然教室
・6月5日(土)【愛鷹山 越前岳】十里木〜越前岳〜呼子岳〜割石峠〜蓬莱岳
              (往復)&アシタカツツジ群生地散策
・6月13日(日)【小楢山】(山梨県北東部国師ヶ岳南方)
            焼山峠〜小楢山(往復)レンゲツツジ群生地散策
・7月2日(金)【長者ヶ岳,天子ヶ岳】田貫湖畔〜長者ヶ岳〜天子ヶ岳(往復)
・7月6日(火)【富士山】富士宮口新五合目〜富士山(往復)&お鉢めぐり
・7月20日(火)【八ヶ岳 編笠山】観音平〜雲海〜押手川〜編笠山(往復)
・7月26日(月)【南アルプス 聖岳,赤石岳,荒川岳】
   〜30日(金)
  沼平〜横窪沢小屋泊〜茶臼岳〜上河内岳〜聖平小屋泊〜聖岳〜兎岳〜中盛
          丸山〜大沢岳〜百間洞山の家泊〜赤石岳〜荒川前岳〜荒川中岳〜荒川中岳
          避難小屋泊〜東岳〜千枚岳〜椹島
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○2月6日(土)【城山,葛城山,発端丈山】7名
  城山登山口 (0:40) 城山 (1:00) 葛城山 (1:10) 発端丈山 (0:35) 三津長浜

 登山口へ向かう途中の国道136号線大仁町内交差点で,野生のシカと遭遇した。町中の路上を通り過ぎる車に戸惑うように逃げ回る?姿を見て「あいつ信号無視していきやがった」と誰かが叫び,笑いを誘った。
 狩野川西岸の登山口(30m)に車を止めていざ出発。石がごろごろした道を登っていく。ロッククライミングをしている人が米粒のように見える絶壁がそそり立っている。30分も登ると分岐点(265m)。城山(じょうやま 342m)にはそこから15分ほどの道を往復する。備長炭(びんちょうたん)の原材ウバメガシの林の中を行くと城山へ到着。山頂からは田方平野の街並みがミニチュア模型のように小さく見える。
 そこから分岐に戻り尾根伝いに進むといよいよ葛城山(かつらぎやま 452m)の登り。けもの道と称されるだいぶきつい登りを木につかまりながら登り切ると,そこには360℃の大パノラマが待っていた。富士山はもちろん南アルプスは北岳(きただけ 3,192m:2nd),間ノ岳(あいのだけ 3,189m:4th),荒川岳(あらかわだけ 中岳(なかだけ 3,083m:13th)),赤石岳(あかいしだけ 3,120m:7th),聖岳(ひじりだけ 3,013m:21th)から深南部(しんなんぶ)の山々までくっきりと。風もなく暖かな,真冬としては最高の天気の下で最高の景色を見ながらビールで乾杯。
 昼食をとりながらの会話も弾み十分すぎる休憩をとったあと,最後の目的地へ向け出発。登りとは別の正規ルートを下山して展望のない林の中の道を進むと,やがて目の前が開けてくる。ここは益山寺(えきさんじ:地元では「ましやまでら」という)への分岐(300m)。
 ここからは最後の登り。乾いた土の斜面を息を切らせて登り切ると,広い芝地となった発端丈山(ほったんじょうざん 410m)の山頂。記念撮影の後,ちょっと下った展望地へ。そこからの景色は駿河湾の青に浮かぶ淡島(あわしま)とその向こうにそびえる富士山とが,絵はがきのようでとてもすばらしい。
 帰路はジグザグの急な道を下り,ミカン畑の中の通ると三津長浜(みとながはま)の海岸へ。今度は家族と一緒に・・・そんなコースでした。

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○2月14日(日)【箱根芦の湯,旧街道】単独行
  やすらぎの森 (0:35) 元箱根 (0:30) お玉ヶ池 (0:20) 六道地蔵 (0:15) 東光庵跡 (0:15) 湯坂路入口 (0:20) 飛龍の滝 (0:20) 畑宿 (0:40) 甘酒茶屋 (0:40) 元箱根 (0:35) やすらぎの森

 やすらぎの森駐車場(780m)から園内を芦川(あしかわ)方面へ。3日前に降った雪がところどころ凍っているため慎重に下る。芦ノ湖周回道に下り芦川口から国道に出て歩道を進む。関所入口前を過ぎ恩賜公園前から杉並木の道へ入る。関所前から15分ほどで元箱根(もとはこね 731m)の大鳥居をくぐり,中央バス停のところを右折すると興福院(こうふくいん)。寺の左の細い道を登って行き,旧街道杉並木歩道橋を渡るといよいよ石畳の道となる。権現坂(ごんげんざか)といわれるきつい坂を登りきったところを左に曲がり,箱根変電所の前を通ると旧国1に出る。そこを横断し山道に入るとすぐ休憩舎のある広場に出る。ここは箱根の森という施設で,お玉ヶ池(おたまがいけ 755m)を中心とした散策コースや広場が設けられており,夏にはキャンプもできる。
 このまま遊歩道を進みお玉ヶ池に出て池を左回りに半周する。池は寒さで凍結している。池の北側から二子山(ふたごやま 1,091m)沿いに檜林の中の石段を登っていく。だいぶきつい登りだ。やがて道が平坦になるころ国道に出る。そのまま国道沿いの歩道を進み,精進池(しょうじんいけ)を見ながら六道地蔵(りくどうじぞう 865m)の前を通る。途中から遊歩道に入り,曾我兄弟の墓の前を過ぎて芦の湯から東光庵跡(とうこうあんあと 850m)を回り,さらに国道の歩道を進む。
 芦の湯から15分ほどで湯坂路(ゆさかみち)入口(805m)に到着。ここから飛龍の滝(ひりゅうのたき)自然探勝歩道に入る。道は森の中の木段の下り。途中から勾配がきつくなるが,20分ほどで飛龍の滝(630m)への分岐。滝は右に数分登ったところにある。箱根で一番といわれる滝は水量が少なくちょっと物足りない。
 滝の前は狭いので5分ほど下ったところで昼食。風がなかったので気温が低い割にはあまり寒さは感じなかった。
 そこからは道は徐々に広くなり,国道が見えてくる頃にはだいぶ急なコンクリート道となった。旧国1に出ると畑宿(はたじゅく 400m)の寄木(よせぎ)会館が左手に見えてくる。そのまま下り,バス停のところを右手に入ると,ここからが旧街道。元箱根に向かっての登りとなる。石畳の道のところどころに説明板があり,歩くだけでなく歴史の勉強?にもなる。
 少し行くと石畳の下を国道が通過する通称「宙づり石畳」。そこからはしだいに登りがきつくなり,旧国1に出るとそこは七曲がり。箱根一の急勾配を車道脇の歩道を登る。車道とはいえかなり登りがきつい。途中から車道のクネクネをショートカットした直線の石段。見る見るうちに高度を稼ぎ,小田原方面がよく見えてくる。
 最後の石段を登りきると須雲川(すくもがわ)自然探勝歩道に入る。ここからは石畳の道が続く。日曜日ということもあり,上から下ってくる数組のパーティとすれ違う。中には赤い顔をしたおじさんもいた。
 猿すべりの坂を登り,歩道橋を越えて車道脇の歩道を進むと,まもなく甘酒茶屋(あまざけぢゃや 691m)に到着。道は車道と分かれ茶屋の裏に続く。久しぶりの土の道だ。しばらく行くと車道に出るので車両に注意しながら横切る。そこからはまた石畳の登り道。ところどころ残雪もありスリップに注意しながら進む。道は次第にゆるやかになり,そのうち下りとなる。まもなく往きに曲がったところを過ぎ,権現坂を下ると元箱根に到着。
 帰りはやすらぎの森の中を散策し帰宅した。

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○3月13日(土)【箱根旧街道】44名
  甘酒茶屋 (0:40) 元箱根

 富士工務所文化会の総合行事として行われたハイキング。富士,沼津,三島からバス2台に分乗し,途中山中城址(やまなかじょうし)にて休憩をとった後,箱根の甘酒茶屋(あまざけぢゃや 691m)に11時頃到着。天気は曇りで多少日がさす程度,ちょっと肌寒い。
 社員と5歳の幼児を含むその家族,総勢44名は茶屋の裏の箱根旧街道を元箱根(もとはこね 731m)に向けて元気に出発。しばらくは林の中の緩やかに登っている土の道。県道を横断するといよいよ石畳の道となる。登りではあるがそれほどきついとは感じない。数日前に降った雪もすっかり消えていたが,石が濡れていて滑りやすいところもある。途中大きなゴミ袋を下げたボランティアグループとすれ違う。「お疲れさま」と声をかける。石畳の道にはところどころに説明板が設置されているが,みんな歩くのに夢中で足を止めてみている人は少なかったようだ。
 道は登りから下りにかわり一旦車道に出る。その先石畳の道はさらに続くが,右に100mほどのところに茶色に化粧されたGSPCの箱根変電所があり,見学に向かった人も何人かいた。
 石畳の下りは次第に急になり,ここを反対から登ってくるのは大変だなぁと思いながら下りきると杉並木が見えてくる。そこの歩道橋を渡り,興福院(こうふくいん)の脇を通ると,目的地のバス駐車場に到着した。歩程40分くらいで,多少物足りなさを感じた。
 さぁ,お待ちかねの昼食タイムだ。配られたお弁当をもって各自思い思いの場所を目指す。湖畔のベンチや芝生で,または寒さを避けてバスの中でそれぞれお弁当を広げた。中にはおかずを求めて釣り糸をたれる人,コンロでお酒の燗をつけて芝生が宴会場と化しているグループもあった。おみやげを買ったりホテルで温泉につかったり,2時間ほどの自由時間を過ごした後,バスで帰路についた。

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○5月3日(月)【金時山】2名
  足柄駅 (0:30) ギャツビィGC (0:35) 金時林道 (1:15) 金時登山道北鳥居 (0:40) 金時山 (0:15) 矢倉沢分岐 (0:40) 金時神社

 御殿場線上り始発電車で足柄駅(あしがらえき 330m)へ。今回は足柄峠(あしがらとうげ 735m)を通らず直登するコースを選んだ。
 駅から線路沿いに舗装道を南下し,ギャツビィゴルフ場を目指す。途中線路を渡り円通寺前の急な車道を登りきると,開けた水田の中の道となる。駅から30分ほどでゴルフ場の入口(425m)。そこで休憩をとり森の中の林道に入っていく。さほど登りもきつくない道も次第に道幅が狭くなり,北駿線の巡視路標識を過ぎる頃には人ひとり通れるほどの道となる。途中男性2人連れのパーティと出会い会話を交わす。目指す山は一緒だ。
 木橋を渡り少し進むと道は本格的な登りの尾根道となる。勾配はかなりきつい。1歩1歩ゆっくりと進むと,そのうちに足柄峠から山腹を通る金時林道(きんときりんどう 628m)に出る。ここから山頂までひたすら尾根道を登っていくことになるため,十分な休憩をとることにする。
 カロリーと水分を補給して出発。ところどころ勾配がきついところもある尾根道をゆっくりと登っていく。展望はほとんどないが,自然林が多くなったせいか道は明るい。途中ウグイスが私たちを出迎えてくれた。その美しい鳴き声を聞いていると,多少なりとも疲れが癒される感じだ。
 その後もウグイスのコンサートは続き,フィナーレに近づく頃,足柄峠からの道との合流点にある鳥居下(1,000m)に到着した。ここからは箱根一の急な登り,本コース一の難所だ。上から下ってくるパーティが多い中,落石に注意しながら慎重に登る。昔は岩につかまって登るようなところもあったが,今は急な箇所には金属製の階段が取り付けられている。その数12ヶ所。また1ヶ所切り立ったところがあり,そこからは富士山(ふじさん 3,776m:1st)から丹沢までの山々が一望できるが,高いところが苦手の人は,振り返るとちょっと怖いところだ。
 12番目の階段を登り終え,もうひとがんばりすると金時山(きんときざん 1,213m)の山頂に到着した。天気はあいにくの曇り空のため富士山は望めなかったが,GWということで,山頂は子供を連れた家族などのパーティでいっぱいだ。私たちは金太郎茶屋の中で休憩をとり,おいしい甘酒を口にした。
 帰りは金時神社(きんときじんじゃ 695m)へ下るこの山で最もポピュラーなコース。登ってくるパーティが多く,その都度待たなければならなかったが,それでもほぼ予定のタイムで下山し,無事金時神社に到着した。車の迎えを頼み,友人とバーベキューを予定している乙女森林公園キャンプ場(おとめしんりんこうえん−)へ向かった。

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○5月15日(土)【天城しゃくなげハイク】7名
  天城高原 (1:05) 万二郎岳 (0:35) 石楠立 (0:55) 万三郎岳 (0:40) 涸沢分岐 (0:25) 水場 (1:05) 天城高原

 伊豆スカイラインの終点,天城高原料金所(あまぎこうげんりょうきんじょ)から旧遠笠山道路(きゅうとうがさやまどうろ)をさらに上っていくと天城高原ゴルフ場がある。一昨年の夏,そのクラブハウスの手前にハイカー用の駐車場(1,050m)が完成し,大変便利になった。今回はここに車を停めての行程だ。駐車場は大型バスも含め7割近くが埋まっており,山はハイカーであふれていそうだ。
 看板の前で「使用前」の集合写真を撮って出発。森の中を15分ほどで万二郎登山口(ばんじろうとざんぐち 1,090m)の三叉路に出る。ここで出発時に忘れていた恒例の会長挨拶を受ける。ここからは原生林の中の緩やかな登りだ。道はところどころ幾筋にも分かれているため,歩きやすい道を選びながら一列になって進む。4月にはドウダンツヅシ,7月にはアマギツツジが見られるが,今はちょうどその谷間の時期で花は見られない。
 途中休憩をとりながら1時間ほどで万二郎岳(ばんじろうだけ 1,300m)の山頂に到着した。山頂というよりも登山道の途中といった感じで,標識がなければそのまま通り過ぎてしまいそうなところだ。狭く込み入って展望も全くない山頂を避けて,次の展望地で休憩をとることにした。ゴツゴツした岩の道を山頂から5分も下らないうちに,左側に開けた岩場がある。天城山の縦走コースの中で数少ない展望地のうちの一つだ。天気が良ければ富士山(ふじさん 3,776m:1st)が遠望でき,伊豆の東海岸や下田方面が望めるが,この日はあいにくの曇り空で,景色は霧の中であった。
 ここで5分ほどの休憩をとった後,さらに岩の道を下る。数分で道は平坦になり,しばらくするとまた登りとなる。途中1ヶ所手を使って岩を登る箇所があるが,ここがコース2つ目の展望地だ。先ほど通った万二郎岳を始め伊豆七島などが一望できるはずだが,やっぱり霧の中。そのまま多少急な登り道を進む。メンバーの一人が立ち止まり「このへんで休憩を」と訴えかけるように言ったが,「その先で道は平らになるよ」と言うと,あきらめた?ようにまた歩き出した。
 そして言った通り道は平坦になる。ここが馬の背(うまのせ 1,325m)だ。字の通り周囲より1段高くなった平らな尾根を「背」というが,ここ天城の馬の背はアセビのトンネルとして有名なところだ。馬が葉っぱを食べると酔ったようになることから馬酔木(アセビ)と呼ばれるこの常緑樹は,4月の上旬頃小さなつりがね状の白い花をいっぱいに付ける。このアセビが堀のようにくぼんだ道の両側にトンネル状に茂っている。花期にぜひ訪れてみたいところだ。
 このトンネルを抜けると道はまた下りとなる。ところどころ岩や木の根が突き出ていて高い段差の箇所もあるため,足下に注意しながら下っていく。下りきったところが石楠立(はなだて 1,255m)だ。少し行ったところで休憩をとる。このあたりは普段鳥のさえずりが聞こえてくるところだが,この日はほとんど聞こえず,耳に入ってくるのは近くで休憩しているパーティからのカン高い女性の笑い声だった。
 ここからはだらだらとした登りが続く。途中人が立ち止まって見上げているところがあり,行くと「ブナの大木」の標識が出ていた。右の小径に進むと,枝振りもよい立派なブナの木がずっしりと立っていた。本道に戻り,木の根の多い道をさらに進んでいく。このあたりから右側にシャクナゲの木が目に付くようになる。昨年は5月上旬には満開だったが,今年の木はよく見るとつぼみ自体がついていない。どうもたくさん咲く年とそうでない年があるらしく,今年は裏年にあたるようだ。そのうちに花の咲いている木を見つけた。まだ時期的に早いようだが,とりあえず群生地には咲いているだろうと胸をなで下ろした。
 道は最後の急な登りとなる。木につかまって急な段差を登り切ると,そこは頂上だ。伊豆半島の最高峰,万三郎岳(ばんざぶろうだけ 1,406m)の山頂はハイカーでいっぱい。順番待ちをして標識の前で写真を撮り,山頂から西へ5分ほど行ったブナ林で昼食にした。おにぎりを頬ばる人,ラーメンを煮る人,思い思いの食事でおなかを満たした後,お目当てのシャクナゲを目指して出発。
 万三郎岳の山頂まで戻り,そこから北へコースをとる。この北側斜面がシャクナゲの群生地だ。昨年はいたる所にピンクや白の花が咲き乱れていたが,今年は数が少ないし時期も早いようだ。つぼみの様子を見ると,5月20日過ぎくらいが最盛期のようだ。
 道はとても急で,木や岩につかまりながら慎重に下る。土の斜面は滑りやすく,花に見とれているとお尻が泥だらけになる。下るに従って花の数も多くなり,去年ほどではないが,ピンク色の花が私たちを楽しませてくれた。写真を撮りまくったため予定時間をオーバーしたが,一人もお尻を汚すことなく涸沢分岐(からさわぶんき 1,160m)に到着。ここで5分ほど休憩をとる。ウグイスを始め,何種類かの鳥がコンサートをやっているようだ。この大自然の音色はいつ聴いてもさわやかな気分にさせてくれる。
 ここからは進路を東にとり,北斜面の中腹を巻くように進む道。薄暗く岩がゴロゴロして足場が悪い箇所もあるため,なるべく山側に寄って歩く。途中山側の斜面の上に真っ白いシャクナゲが1本見事な花を付けていた。水場と呼ばれる所で休憩をとり斜面の道をさらに進むと,次第に平坦な林の中の道へと変わり,涸沢分岐から1時間ちょっとで朝通った万二郎登山口に到着した。休憩していると,ヒバリのようににぎやかな4羽の若い?女性のパーティが万二郎岳から下ってきた。昨夜,湯ヶ島の大川端(おおかわばた)キャンプ場に泊まり朝5時に出てきたとのこと。10時間近くも歩いてきたわりにはまだまだ余力がありそうだ。
 ここからは15分ほどで出発地の駐車場に到着。「使用後」の写真を撮って天城山を後にした。

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○5月22日(土)【丹沢 檜洞丸(ひのきぼらまる)】13名(うちFHC1名)
  西丹沢自然教室 (0:40) ゴーラ沢出合 (2:20) 檜洞丸 (0:30) 熊笹ノ峰 (1:40) 犬越路
  (1:00) 用木沢出合 (0:20) 西丹沢自然教室

 裾野市内の企業内登山クラブ行事に飛入り参加しての山行。
 早朝車3台に分乗して丹沢湖の奥,箒沢(ほうきざわ)の先にある西丹沢自然教室(にしたんざわしぜんきょうしつ 550m)へ。まだ7時だというのに駐車場はいっぱいで路肩も車の列。しかたなく林道沿いに駐車して出発。
 昔は訪れる人もまばらで西丹沢の秘境といわれた檜洞丸(ひのきぼらまる 1,601m)は,道が整備されたことにより今はハイカーのメッカとなっているようだ。年輩のご夫婦からキャミソール姿の若いギャルまで,登山道はシロヤシオ(ゴヨウツツジの別名)の花を求めて登る人でいっぱいだ。上空から見るとアリの行列のように見えることであろう。それでも登山口からの標高差は1,000m以上あり,決して楽な山ではない。
 林道から薄暗い沢沿いの緩やかな道を40分ほど進むと河原へ出る。東沢(ひがしざわ)にゴーラ沢が合流する地点,ゴーラ沢出合(−さわであい 750m)だ。河原は休憩するハイカーでいっぱい。ここから厳しい登りの尾根道となる。
 沢を渡って尾根にとりつくといきなり急な登りで行列ができている。このまま列を作って進む。急ぐ人には道をあけて一定のペースで確実に登っていく。途中1箇所下りになっている所以外はすべて登り。勾配も急で,ところどころ手を使って登るような段差の大きい箇所もある。久しぶりに汗をかきながらの山登りとなった。それでも時折聞こえるウグイスやホトトギスなどの鳴き声が,一服の清涼剤のように疲れを癒してくれる。
 ゴーラ沢出合から40分ほどで展望園地(てんぼうえんち 1,080m)に到着。この日は薄曇りだったが,富士山(ふじさん 3,776m:1st)がくっきりとその雄大な姿を披露してくれていた。展望園地から少し登ったところで休憩。そしてまた歩き始める。道はさらに急になり,渋滞することが多くなる。しかし待っている間はちょうどいい休憩タイムだ。このあたりにはミツバツツジやシロヤシオの木が見られるが,まだ花はチラホラといった感じでほとんど咲いていない。山頂に近い足場の悪いところには木製の階段が設置されている。
 そして登りはじめてから3時間ほどで稜線上の分岐に出た。右に行くと石棚山(いしだなやま
1,351m)への道となる。ここまでくれば頂上までは緩やかな登りを残すのみ。一息ついてから道を左にとる。バイケイソウを保護するために設けられた木道がしばらく続く。下にはそのバイケイソウが青々と茂っている。初夏の花の咲く頃にまた来たいものだ。木々の間からは富士山が顔をのぞかせている。
 木道が終わりもう一登りすると頂上に到着。標高1,601m,丹沢で蛭ヶ岳(ひるがたけ 1,673m)に次ぎ2番目の高さを誇る檜洞丸の山頂は,ブナなどの木立で覆われ展望はあまりないが,明るく広々としておりテーブルもいくつか設置されている。そこに何十組ものパーティが思い思いの場所でお弁当を広げている。私たちもあいているところを見つけて昼食にした。
 1時間ほどの昼食休憩の後,犬越路(いぬこえじ 1,060m)に向けて出発。山頂からすぐのところで目の前が開ける。真正面には大室山(おおむろやま 1,588m:地元では大群山(おおむれやま)という),そしてその手前に目指す犬越路の避難小屋が小さく見える。西丹沢の山々の緑がすばらしい。ここから土の急な斜面につけられた階段状の道を下っていく。下りきると林の中の緩やかな下りの尾根道となる。道沿いのシロヤシオはまだ時期が早いようだ。ブナの木々とその間から見える富士山などの景色が絵はがきのようにすばらしい。
 尾根道が登りに変わり檜洞丸から30分ほどの小高い所が熊笹ノ峰(くまざさのみね 1,523m),そして大笄(おおこうげ)へと続き,ここから下りの急な道が始まる。ところどころ鎖が設置された岩場を下っていく。丹沢の山道で勾配の急な所は,たいてい蛭ヶ岳のように採石をばらまいたような道になっているが,ここも例外ではない。こういう道は案外スリップしやすいものだ。
 そしてこのコース最大の難関,標高差120mの絶壁状の下りにさしかかる。道の向こう側は切り立った崖になっており,高い所が苦手の人は思わず足がすくむ所だ。それでも恐怖感を覚えるのはその1箇所だけで,そのほかは絶壁状といっても道自体が林の中であまり景色が見えないため,高所という恐怖感はない。足場もしっかりしており,鎖を頼りに一歩一歩確認しながら慎重に下っていく。下り終わると道は痩せた尾根道となる。道沿いのシロヤシオが白い花を付けている。まだ満開とはいかないが,それでも十分に楽しめる。ただ曇り空のため白い花を写真におさめるのは難しかった。
 ところどころに咲いているシロヤシオの花を楽しみながら,尾根道のアップダウンを繰り返し,檜洞丸から2時間ほどで犬越路に到着した。振り返ると先ほど通った大笄の急下りを行く人の姿が小さく見える。そしてその向こうには檜洞丸の頭がのぞいている。
 ここで10分ほど休憩をとり,東海自然歩道を南へ下る。先ほどと同じ採石をばらまいたような薄暗く急な道を下って行く。ひたすら下って行くと大きな沢が見えてくる。用木沢(ようきざわ)だ。勾配は多少緩やかになり,そのうちに河原に出る。そして道は2回3回と沢の横断を繰り返し,大きな橋を渡るとやがて舗装道に出る。ここが白石沢(しらいしざわ)と用木沢が合流して,本流の中川川(なかがわがわ)となる用木沢出合(610m)。ここからは舗装道を20分ほど行き,朝車を止めた場所に戻った。
 全行程8時間,累積標高差1,250m。久しぶりに「歩いた」という感じの充実したコースであった。帰りは予定していた温泉が満員のため,そのまま帰路についた。

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○5月28日(金)【丹沢 檜洞丸(ひのきぼらまる)】3名
  西丹沢自然教室 (0:50) ゴーラ沢出合 (2:10) 檜洞丸 (0:20) 熊笹ノ峰 (1:30) 犬越路 (0:45) 用木沢出合 (0:25) 西丹沢自然教室

 今回は同好会主催で,先週と全く同じコースでの山行。
 朝6時過ぎに三島駅に集合して現地へ。心配された天候も曇り空で,天気はどうにかもちそうだが,山頂は雲の中だ。現地へ着くと,平日ということもあり駐車場(550m)にはまだ空きがある。前日,嵐のような天気だったため,道の様子などを西丹沢自然教室の管理人に訪ねると,特に問題となる箇所はないとの返事。しかし念のため,増水した沢を渡れるように靴下の替えなどを用意していくことにした。
 最初はゆっくりとしたペースで進み,50分ほどでゴーラ沢出合(ごーらさわであい 750m)に到着。心配された沢の水量もさほど多くなく一安心だ。
 ここからは急な登りを一歩一歩ゆっくりと進んでいく。湿度が高いせいか,蒸し暑くドッと汗が溢れ出る。みんな口数も少なく,ひたすら登っているという感じだ。
 林の中を鳥のさわやかな鳴き声がこだました。この日のためにと,鳥の鳴き声を勉強してきたが,教科書どおりに鳴いてくれる鳥は少なく,なかなか聞き分けるのは難しい。それでも6種類の鳥を確認することができた。最もよく聞こえたのが,ご存じのウグイスだ。次が会の名前になっているホトトギス。辞典には「てっぺんかけたか」と鳴き声が記されているが,私には「東京特許庁」「東京特許庁か」と聞こえる。そしてメジロ。「ピィチクパァチク・・・」と高くにぎやかなさえずりだ。「ピルルルルルルル」と美しい鳴き声はコマドリ。低く「ホホ ホホ」と鳴くのはツツドリ。そしてヤマガラが「ピィーツッツッピィーツッツッ」。ほかにもたくさんの種類の鳥の鳴き声が聞こえた。
 先週はまだ早かったシロヤシオ(ゴヨウツツジの別名)は,ちょうど満開の時期を迎えていた。前日の強風で花の多くが散ってしまった木もあったが,あちらこちらの木いっぱいに白い清楚な花が咲き乱れ,とてもきれいだ。青い空がバックにあったら,その白さがもっと引き立つことだろうが,残念ながら曇り空。ただ花は6月上旬頃まで楽しめそうだ。
 山頂の手前にさしかかると,バイケイソウの木道が倒れてきた木に押しつぶされていた。見ると近くのブナの大木の太い枝が,幹の途中から引きちぎられて落ちてきたものだとわかった。前日の風が相当強かったことがうかがえる。
 檜洞丸(ひのきぼらまる 1,600m)の山頂は案の定,霧の中。それでも5組ほどのパーティがお弁当を広げていた。風があり気温も10.6℃と肌寒かったので,フリースを着込んで温かいラーメンなどを口にした。
 犬越路(いぬこえじ 1,060m)までの尾根道も霧の中の道となった。途中のシロヤシオは白い花をいっぱい付けていたが,残念ながら霧のため鮮明な写真は撮れそうもない。それでも木の前でポーズを決めカメラに収まった。今回高い所が苦手なメンバーがいて心配した絶壁状の箇所も,向こうの景色が霧の中のため,恐怖感を感じることなく通過できた。
 檜洞丸からほぼ予定のタイムで犬越路に到着。見えている景色と地図を見比べながら,今きた道を振り返ると,大笄(おおこうげ)から続く尾根の向こうは,まだ雲の中だった。
 犬越路から用木沢(ようきざわ)への道を下り,いよいよ沢の渡渉箇所にさしかかる。用木沢本流を横断する箇所は7箇所。そのうち橋がなく流れの中の石の上を渡って行く所が4箇所ある。でも心配したほど水量は多くなく,靴の下半分を濡らす程度で渡ることができた。
 西丹沢自然教室には予定より20分ほど早く到着。そこでは週末の山開きに向けた準備が進められていた。帰りは中川温泉の町営「ぶなの湯」に立ち寄り,一日の疲れと汗を洗い流した。

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○6月5日(土)【愛鷹 越前岳】単独行
  十里木 (1:30) 越前岳 (0:35) 呼子岳 (0:10) 割石峠 (0:10) 蓬莱岳 (0:10) 割石峠 (0:10) 呼子岳 (0:35) 越前岳 (0:45) 十里木

 越前岳(えちぜんだけ 1,505m)の山頂へは3つのルートがあるが,今回は比較的登りやすく,アシタカツツジの群落を通るため人気が高い,十里木(じゅうりぎ)からのコースを選んだ。愛鷹連峰はほぼ歩き尽くし,越前岳にも10回以上登っているが,なぜかこのコースだけは少年時代に父に連れられて登って以来,30年ぶりのチャレンジだ。
 早朝,自宅からマイカーで十里木高原の駐車場(880m)に到着。トイレや周辺に遊歩道が整備された駐車場を7時すぎに出発し,山腹に見える電波塔を目指して階段状の道を登っていく。電波塔の横には展望台が設置され,眼下に十里木高原が広がる。あいにく富士山はかすんでいたが,最近オープンしたこどもの国が一望できる。高原からはホトトギスやカッコウの鳴き声が聞こえてくる。
 展望台からはミヤコザサ(通常クマザサといっているもの)が生い茂る開けた道を緩やかに登っていく。ところどころ道沿いの木に花が咲いている。白い綿帽子のような花をつけているのがクロバイと呼ばれるハイノキの仲間。トランペットのような小さなラッパ状の花をつけているのがウツギの仲間で,そのうち花の色が赤いのが富士山周辺に分布するフジベニウツギ,また白いのはツクバネウツギ。他にもミツバウツギなどが可憐な花を付けている。
 駐車場から40分ほどで馬の背(うまのせ 1,115m)と呼ばれる見晴し台に出た。テーブルが設置されていて,ひと休みするのにもってこいの場所だ。十里木高原の眺めがすばらしい。富士山はうっすらと見えている。
 ここからは森の中を進む。だいぶ急な登りだ。道は幾筋にも分かれており,歩きやすい道を選んでゆっくりと登っていく。鳥が木立の間をピィピィとさえずりながら,まるで鬼ごっこをしているみたいに飛び回っている。つがいのようだ。鳥は今,恋の季節。でもこちらはひとり。うらやましい!?
 他にもウグイスやホトトギス,メジロ,ノジコ,シジュウカラ,センダイムシクイ,ホオジロ,ツツドリなどの鳴き声が聞こえてくる。
 1時間ほど登ったあたりから,周囲にツツジの木が目立ち始めた。花はほとんど散ってしまっているが,2〜3個ついている木もある。見るとミツバツツジのようだ。登るに従い花の数が多くなり,勢子辻(せこつじ)への分岐を過ぎた所で小さめの花をつけた木を見つけた。葉がミツバツツジより小さく,5〜6枚ついている。アシタカツツジだ。実物を間近に見たのは初めてなので,じっくり観察して写真に収めた。
 そこから5分ほどで標高1,505mの山頂に到着。西側の斜面はミツバツツジの群落が広がっているが,花はもう見頃を過ぎている。富士山はかすんで見えなくなってしまっていたが,南側には愛鷹連峰第2位の位牌岳(いはいだけ 1,458m)や呼子岳(よびこだけ 1,305m)その右には大岳(おおだけ 1,262m)が新緑に覆われた姿を見せていた。時間が早いせいか他のパーティの姿はなく,三脚を使って写真を撮った後,次の目的地,呼子岳へ向けて出発した。
 山頂からは急な下り。2〜3箇所ロープが設置してある道を足下に注意しながら下っていく。山腹に咲くツツジの紅紫色の花が,緑の山肌に彩りを添えている。ウグイスもすぐ近くで歌声を響かせ,歓迎してくれているようだ。
 下るにつれて道はだんだん緩やかになり,そのうちに平坦な尾根道になる。林の中で展望はないが,鳥の声をバックに軽快な足取りで進んで行く。道は多少のアップダウンの後,今宮(いまみや)への分岐を過ぎると,もうすぐ呼子岳となる。目の前の小さな頂までは2分ほど,ウルトラマンでも登れる時間だがその最後のひと登りがきつい。(ウルトラマンならひと跨ぎ?!ともいえる)
 呼子岳の山頂は4畳半ほどの広さしかなく,西,南側のふちに生えている草木の一歩向こうは絶壁になっている。昔はここから大岳までのルートがあったが,崩落により今はその痕跡すら残っていない。大岳へ続く尾根道には,何ヶ所もの崩落箇所が確認できるほどだ。
 呼子岳からは東に進路を変え,割石峠(わりいしとうげ 1,245m)に向けて下っていく。木が根こそぎ倒れて山肌が露出している急な箇所もあり,ロープなどにつかまって慎重に下る。途中のキレット(=稜線の一部が深く切れ込んでいる所)からは,富士方面の景色が見える。
 10分ほどで割石峠に到着。西側の岩壁と岩壁との間がパックリと割れたようになっていて,その先に富士方面の景色が広がる。文字通り割石峠だ。そしてここから先が鋸岳(のこぎりだけ)への難所ルートとなる。特に昨年秋の長雨により,狭い尾根道が西側の草の生えた土手の部分を残して崩落し,そこを通るときは残った土手の部分をちょうど平均台の上を歩くように渡らざるを得なくなった。もちろん両側は絶壁で,バランスを崩せば谷底へさようなら,といった所であることから,最近,立ち入りを遠慮するように警告看板が設置された。ただし途中の蓬莱岳(ほうらいだけ 1,296m:2万5千分の1地形図には鋸岳と表記されている)までは普通の道なので,安心して行くことができる。
 また,割石峠からは須山(すやま)方面の愛鷹神社へ下る道と,須津(すど)渓谷へ下るルートがある。愛鷹神社へは岩がごろごろして歩きにくい所もあるが,危険な所はなく,愛鷹神社から尾根づたいに越前岳へ登ったときの帰りのルートとして,多くのパーティが利用している。もう一方の須津渓谷のルートは,先ほどの岩壁の割れ目を下っていくもので,急峻で足場も悪く,落石の危険も大きいため,ごく一部のベテラン登山者しか利用していない。今回は蓬莱岳まで行って昼食にすることとした。
 割石峠から警告看板の右をまっすぐに,土の急な斜面を登る。看板の左にも道があるが,途中踏み跡がわかりにくくなっているので,右の道を行った方が無難だ。登り切ると尾根に出て,そこから左に尾根道を進む。西側の斜面にはツツジの花が美しい。
 峠からは10分ほどで蓬莱岳山頂に到着した。南には位牌岳が望め,その手前に鋸岳が名前の通り鋸の歯を並べたような姿を見せている。ここから先は以前歯渡りと言って鋸の歯の頂点を渡り歩く道だったが,今は山腹を巻く(まく=迂回する)道がついている。それでも絶壁状の山腹をロープにつかまりながらカニの横歩きのように進む所,垂直に切り立った岩壁をロープや木の根につかまりながら登る所などが連続してあり,高い所が苦手な人はもちろん,よほど歩き慣れた人でも注意を要するルートだ。
 蓬莱岳で昼食を済ませた後,いま来た道を戻る。割石峠に下り,呼子岳に登り返す。山頂は数組のパーティがいたため寄らずに通過し,越前岳を目指す。こちらからの登りは標高差200mの結構きつい登りだ。ところどころ岩や木の幹につかまりながらゆっくりと登っていくと,やがて山頂に到着した。ちょうどお昼の時間だったため,山頂には10組ほどのパーティがにぎやかにお弁当を広げていた。
 10分ほど休憩をとった後,十里木に向けて山を下る。軽快な足取りで,予定よりだいぶ早く駐車場に戻れた。ストレッチングで筋肉をほぐした後,高原内にあるアシタカツツジの群落地に立ち寄ることとした。
 駐車場から東に数百メートル進むと,左に十里木高原別荘地の入口がある。そこを左折して別荘地内に車を進める。途中別荘地管理事務所の前を通り,さらに1kmほど行くと,左側に「関係者以外立入禁止」の小さめの看板があり,そこを左に入ると左側の林の中に駐車場がある。そこに車を停めて5分ほど林の中を歩いて行くと,アシタカツツジの群落地がある。今年は開花が早かったようで,残念ながら花はすべて終わってしまっていた。来年に期待したい。
 今回は実質4時間半ほどの行程で,累積標高差は1,060m。次は紅葉の季節にこうようかな・・

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○6月13日(日)【小楢山(こならやま)】6名
  焼山峠 (0:55) 的岩 (0:20) 小楢山 (0:15) 的岩 (0:50) 焼山峠

 前回西丹沢に行ったグループと合同で,山梨県北東部,奥秩父山塊の前衛にあたる小楢山(こならやま 1,713m)への山行。
 早朝自宅をマイカーで出発し,御坂トンネル,山梨市を経て2時間ほどで焼山峠(やきやまとうげ 1,625m)に到着。峠には20台ほどが停められる駐車場と案内板があり,そこに車を停める。峠の周辺はレンゲツツジの群生地となっており,辺り一面に咲きみだれる朱橙色の花がとてもすばらしい。ここからさらに林道を進むと,金峰山(きんぷさん 2,599m:126th)と国師ヶ岳(こくしがたけ 2,592m:
128th)との間にある大弛峠(おおだるみとうげ 2,360m)に通じている。
 8時30分に焼山峠を出発。幅10mほどの木が生えていない防火帯のような斜面をゆっくりと登っていく。周囲はカラマツが主体の林で,他にもミズナラなどの広葉樹も多い。林の中から聞こえるセミとカエルの鳴き声がとてもうるさく,遠くで鳴いているカッコウやホトトギスの声がかき消されるほどだ。土の上にカラマツの落ち葉を敷き詰めた道は,クッションのように軟らかくて歩きやすい。道沿いにはゼンマイやワラビなどが葉をいっぱいに広げ,ヤマトユキザサが茎の先に雪のような白い花を咲かせている。
 50mほど登ると道は下りになり,また登り返す。このようなアップダウンを繰り返すと,分岐を示す道標が見えてきた。右が旧道,正面の斜面が新道となっており「つつじあり,展望良い」という新道を行くことにした。
 急な斜面を登っていくと大きなミズナラの木があり,ところどころレンゲツツジが咲いている。ヒガラがさわやかな鳴き声を響かせている。振り返ると五丈岩(ごじょういわ)を突き出した金峰山(きんぷさん:長野県ではきんぽうさんという)が見え,その左に瑞牆山(みずがきやま 2,230m)の岩峰が頭をのぞかせている。ただその手前にある西群馬幹線の紅白鉄塔がちょっと残念だ。
 斜面を登りきるとまた下り。道沿いには葉の付け根から白い釣り鐘状の花をつるしているアマドコロが見られる。下った所が旧道との合流点。旧道を少し戻った所の林の奥に,的石(まといし)と呼ばれるちょうど弓矢の的によさそうな大きな岩がある。
 この先は静かなカラマツ林の中に進んで行く。一杯水といわれる水場を過ぎ,広葉樹林の中を登っていくと,明るい高原状の場所に出る。あちらこちらにレンゲツツジが朱橙色の花をつけ,ズミの木も白い花をいっぱいに咲かせて見事だ。アヤメも多く見られ,花が咲いている株もある。
 そしてそこを横切ると小楢山山頂。南側が開けており,天気が良ければ富士山(ふじさん 3,776m:
1st)から南アルプスまでが一望できるが,あいにく景色はかすんでいてほとんど見えなかった。まだ10時前だったが昼食をとり,気に入った場所を見つけてはシャッターを切った。
 帰りは来た道を下り,途中から旧道をカラマツの林の中へ進む。とたんにセミとカエルの鳴き声が騒がしくなる。緩やかに山腹を巻くように下っていくと,やがて新道と合流し,あとは同じ道を焼山峠へと戻った。
 焼山峠からは車で荒川林道を進むと,道沿いのレンゲツツジとアヤメの花がカラマツ林をバックに絵になる景色を見せてくれる。峠から数分の所には草原が広がり,レンゲツツジやアヤメなどが観察できる乙女高原自然観察路となっている。道沿いのズミの木が綿飴のように見事な花を咲かせていた。
 帰りは山中湖近くの「紅富士の湯」で汗を流して帰路についた。

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○7月2日(金)【長者ヶ岳,天子ヶ岳】単独行
  田貫湖畔 (1:35) 長者ヶ岳 (0:30) 天子ヶ岳 (0:30) 長者ヶ岳 (1:05) 田貫湖畔

 梅雨の晴れ間をねらっての,久しぶりの山行。
 田貫湖畔(たぬきこはん 665m)に車をとめて8時に出発。湖畔から猪之頭(いのがしら)に抜ける道を少し行くと標識があり,そこから尾根沿いの道を登っていく。この道は東海自然歩道となっており,本栖湖(もとすこ)から朝霧高原(あさぎりこうげん)の山麓沿いを南進してきた道は,ここから長者ヶ岳(ちょうじゃがたけ 1,336m)に登って山梨県側に抜けている。今回のコースはその一部だ。
 尾根の登りは左側(田貫湖側)がヒノキ林,右側が雑木林で展望はなく,はじめは道の両側に生い茂っている草をかき分けるように進んでいく。勾配はだいぶ急な登りだ。
 途中キャンプ場からの道と合流して,10分ほどで地図に休憩舎と記されている場所に到着した。だが建物はなく,右側の空き地に廃材が放置されている。
 道は相変わらず展望のない尾根道が続く。勾配はさほど急でなく,比較的歩きやすい道だ。ピンク色の細かい花を傘のように広げたシモツケがところどころに咲いている。
 しばらくするとヤマアジサイ(サワアジサイともいう)の白い花が目に付くようになる。一般のアジサイの花は,小さな花びらが集まって半球状の形をしているが,あの花のように見えるのは装飾花(そうしょくか:中性花ともいう)といって飾りの花だ。今,庭などで見られるアジサイはガクアジサイを園芸用に改良したもので,もともとのアジサイの仲間には装飾花以外にちゃんとした花がついている。ガクアジサイやヤマアジサイには数ミリほどの小さなビーズがはじけたような本当の花=両性花(りょうせいか)が中央にたくさん集まっており,その周りに花びらが3〜5枚の装飾花が並んでいるのである。ここのヤマアジサイも同じように白い装飾花がひときわ目を引いているが,中央の両性花はまだほとんどがつぼみの状態だ。
 道を登るにつれ,ヤマアジサイに混じってコアジサイが見られるようになった。装飾花がなく全てが両性花のアジサイだ。ゴルフボールを半分にした形の白い綿のような花はとても印象的に見える。また白い尾状のアカショウマや,昔,麻糸を巻いたオダマキの形をしたヤマオダマキも花を咲かせていた。ウグイスやホトトギス,メジロなどの鳴き声もさわやかに聞こえてくる。
 湖畔から1時間半ほどで長者ヶ岳の山頂に到着した。木に囲まれてさほど広くない山頂は富士山の方向だけが開け,曇りのため黒いシルエットのような富士山の姿が望めた。
 木製のだいぶくたびれたベンチ付きテーブルにザックをおろして15分ほど休憩をとった後,南に天子ヶ岳(てんしがたけ 1,330m)を目指して出発。道は稜線上のブナ,ミズナラ,カエデなどの広葉樹の林の中を進み,展望はないが明るく歩きやすい。前半は下りでさほど急ではない。道沿いを見上げると,ヤマボウシが上向きに白い花を咲かせている。
 15分ほど下ると標識のある分かれ道にさしかかる。東海自然歩道はここから南部町側に山腹を下っていくが,天子ヶ岳へはこのまま稜線上を進んでいく。
 ここからは山頂へ向かっての登りとなるが,さほどきつくはない。道沿いにはツツジの木も見られる。よく見るとアシタカツツジのようだ。
 道はやがて平坦になり,地図上ではもう登りはない。しかし天子ヶ岳の頂は南北に細長い形をしており,山頂はその南の端にあるため,平坦になってからけっこう歩いてやっと山頂の標識のある場所に到着した。長者ヶ岳から30分ほど,予定よりだいぶ早い到着となった。
 頂から南にわずかに下ったところが広々としており,バーベキューの跡が残っている。空模様があまりよくないので,早々に下山することにした。通常はここから白糸の滝方面へ下るのだが,今回は来た道を戻って,お昼過ぎ頃に田貫湖に下山した。

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○7月6日(火)【富士山】単独行
  富士宮口新五合目 (0:10) 宝永山荘 (0:30) 新七合目 (0:55) 八合目 (1:05) 浅間大社奥宮 (0:10) 剣ヶ峯 (0:30) 久須志神社 (0:30) 浅間大社奥宮 (0:45) 八合目 (0:30) 新七合目 (0:25) 宝永山荘 (0:10) 富士宮口新五合目

 梅雨の晴れ間ねらい第2弾。今回は28年ぶり2回目の富士登山を決行。
 夜が明ける前に自宅を出発。途中コンビニで朝・昼食を調達して富士山スカイラインで富士宮口の新五合目(2,400m)に到着。朝食をとり身支度を済ませて,5時半過ぎに出発。山頂のレーダードームが朝日を受けて白くきらきらと輝いて見える。天気は上々。これなら山頂からの絶景に期待が持てそうだ。
 登り5時間,下り3時間,標高差1,400mの行程。時間は十分余裕を見てあるが,前回は夜行1泊,今回は日帰りなので高山病が心配だ。急ぎすぎないようにペースは落とし気味にした。
 駐車場横の案内板のところを登っていくとすぐの右手に新しいトイレがある。チップ制で1回100円。富士山もし尿処理が問題になっており,その対策費を利用者負担にしようとの試みだ。
 砂礫の道を10分ほどで雲海荘と宝永山荘が建っている新六合目(2,490m)に到着。宝永山(ほうえいざん 2,693m)へはここをまっすぐに行くが,山頂へは「富士宮口」の標識に従って左に行く。登山道には黄黒ロープが張ってあり,それに沿って岩と砂礫のジグザグの道を登っていく。日本一の山といってもまっすぐ登る訳でないので,全体的にきつい登りはない。しかし長丁場のため,なるべく疲れないように歩き方に気をつけた。同じ標高差でも大きな段差を繰り返し登っていると疲れやすい。たとえ遠回りで歩数が増えても段差の小さな足場を選び,なるべく歩幅を短くしてリズミカルに歩くように心掛けた。
 途中六合目小屋(2,604m)を過ぎ,新七合目小屋(2,790m)には予定の半分の時間(45分)で着いてしまった。歩く速さ自体は他の登山者に抜かれるほどのスピードだが,立ち止まっての休憩をほとんど取らなかった分,速いペースとなったようだ。
 ここで10分ほど休んでから,次の八合目を目指して出発。霧が出てきて視界が悪くなる。多少霧雨混じりだ。次の八合目までは1時間半の行程。小屋を出てから百メートルほどブル道(荷揚げ用ブルドーザー専用道)を進み,標識に沿って右に登山道に入る。道は相変わらずの岩と砂礫の道だ。時折下ってくる人と出会う。今朝のご来光はすばらしかったことだろう。
 新七合目から30分ほどでブル道と交差して,まもなく元祖七合目山口山荘の建つ七合目(3,030m)に到着。予定よりだいぶハイペースのため5分ほど休憩をとり,また歩き出す。再びブル道と交差して露岩の目立つようになった砂礫の道を登っていく。多少息苦しさを感じたため,途中でまた休憩をとる。八合目に近づくと砂礫の道から露岩帯の登りへと変わる。溶岩が流れてそのまま固まった感じのごつごつとした急な斜面を登っていく。
 新七合目から1時間足らずで八合目(3,250m)に到着。八合目小屋の左には富士山衛生センターがあり,7月中旬から8月中旬には国立浜松医大の医師が常駐している。小屋の前は金属製のテラスがあり,天気が良ければご来光も拝めるところだ。ここまでが1時間50分。予定の3時間20分よりだいぶ早いので,休憩を予定より長めにとることにした。八合目から上は浅間大社(せんげんたいしゃ)の境内,私有地。地図を見ても静岡県と山梨県の境界線は記されていない。小屋の裏手にはたくさんの鈴が置かれている。天気は霧。風も冷たく,歩いていないと寒く感じるようになってきた。
 八合目を出発してまもなく,霧に本格的な雨粒が混じり始めた。しかたなくレインウエアを着る。気温が下がったせいか,さほど暑苦しいとは感じない。岩と砂礫の道をひたすら登り,九合目
(3,410m)の萬年雪山荘を過ぎて,右手に万年雪を見送りながら九合五勺(3,550m)の胸突山荘に到着。山頂はもうすぐだ。
 そのうちに雨も上がり,山頂が望めるようになる。ブル道に出て右の鳥居をくぐり,三島岳(みしまだけ 3,740m)直下の岩がゴロゴロした道を登っていくと,浅間大社奥宮(せんげんたいしゃおくみや 3,692m)の建つ富士宮口山頂に到着した。3時間20分,予定より1時間半早い到着であった。左手に測候所のレーダードームが間近に見える。正面の奥宮,左手の売店とも閉まっている。時折空からパラパラと降ってくるものがある。あられだ。レインウエアを着ているのでそうは感じないが,気温は0℃近いのだろう。他に2〜3組のパーティが来ている。
 日本最高峰の剣ヶ峯(けんがみね 3,775.6m)までは10分ほど砂礫の道を登っていく。測候所の入口に気象情報が掲示されていた。気温0.5℃。予想通りだ。測候所横の2等三角点と石柱のところで記念写真を撮り,昼食にする。時折日が射してくるととても暖かく感じる。
 昼食後,剣ヶ峯を後にして時計回りに火口を歩き始める。残念ながら下の景色は雲の中で全く見えない。それどころか,時折雨が降ってくるというあいにくの天気となった。吉田口,須走口山頂の久須志神社(くすしじんじゃ 3,723m)を通り,1時間半ほどで登ってきた奥宮に到着。そのうちに青空が出てきて日差しが眩しいくらいになった。携帯電話が通じたため,あちらこちらに電話をかけて,お昼前に山頂を後にした。
 九合五勺まで下ったところで暑くなってきた。途中でまた雨に降られるだろうと思いながらも,レインウエアを脱ぐことにする。案の定,九合目を過ぎたあたりから霧雨混じりになってきた。霧は下から吹き付けてくるので,眼鏡がすぐに濡れてしまい,視界が悪くなる。しばらくはそのまま歩いていたが,八合目近くから雨粒が混じるようになってきたため,八合目小屋の前でレインウエアを着用した。
 結局そのまま雨模様の天気の中,新五合目まで無事にたどり着いた。下りは2時間5分。予定より30分ほど早かった。駐車場で片付けをしているうちに雨が上がり,目の前に雲海が広がってきた。
 天気は良くなかったが,充実感いっぱいの山歩きであった。

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○7月20日(火)【八ヶ岳 編笠山】3名
  観音平 (0:40) 雲海 (0:30) 押手川 (1:10) 編笠山 (0:25) 青年小屋 (0:50) 押手川 (0:20) 雲海 (0:30) 観音平

 今月下旬の南アルプス山行の予行練習と装備品の点検を兼ねて,八ヶ岳南端に位置する編笠山(あみがさやま 2,524m:148th)への山行。
 午前4時前に自宅を出発し,東富士五湖道路,中央高速経由で小淵沢ICを出る。八ヶ岳高原道路を北上し,途中三菱GSの先を右折してすぐ左折する。そのまま側道(一部未舗装)を直進すれば,料金所を通らずに目的地の観音平(かんのんだいら 1,550m)までいくことができる。
 7時前に現地着。砂利の空き地が広がり数十台の駐車が可能だ。天気はあいにくの霧雨混じり。まだ梅雨は明けていないので晴れる可能性は少ないが,このくらいならばと出発を決断した。
 広場の東端から草原の中を北に進むと広葉樹林の中の登りとなる。土や岩の道で滑って歩きにくい。林の中に湿気がこもり,とても蒸し暑く感じる。道沿いにはピンク色の細かい無数の花が傘のような形をしたシモツケが咲いている。
 40分ほどで雲海(うんかい 1,880m)と呼ばれる展望地に出る。東側(右側)が多少開けているが,この天気では景色どころか雲海すら見えない。休憩をとって再び歩き出す。道は相変わらず展望がなく薄暗い林の中。多少針葉樹も混じるようになってくる。勾配はきついというほどではないが,確実に高度を稼いでいる感じだ。
 さらに30分ほどで押手川(おしでがわ 2,095m)という分岐に到着した。まっすぐ行けば編笠山山頂,右へ行くと山腹を巻いて,山頂北東側(裏側)の青年小屋(せいねんごや 2,380m)へ行ける。赤岳(あかだけ 2,899m:33th=八ヶ岳のほぼ中央にそびえる主峰)方面から縦走してきたパーティが休憩をとっていたので,いろいろ話を聞いた。
 ここから山頂までは標高差400m以上の登りが待っている。押手川を出発してすぐはそれほど感じなかったが,次第に登りがきつくなってきた。林の中を木の根と岩の段差を登っていく。段差が大きいので疲労感も大きい。西(左)に溶岩地帯を見送り,次第に木の背が低くなるとハイマツ帯に飛び出す。道は一直線に山頂まで続いているようだ。道脇のハイマツの中にピンク色のタカネバラが咲いている。
 さらに段差の大きい岩の道をゆっくり登っていくと,目の前に岩と石の原が広がった。岩と岩の間に緑が生い茂り,高山植物が花をつけている。鳥の頭のようなピンク色の花を円筒形につけたヨツバシオガマ,何十本もの雄しべを上に突きだしている黄色いイワオトギリ,上から見ると星状に付く三角形の葉に小麦粉をかけて白くしたようなミネウスユキソウなどがみられた。
 ここからはもうわずかで編笠山山頂に到着。50cm前後の岩を敷きつめたような山頂からは,霧のため景色は何も見えない。写真を撮って休んでいると雨が降り出し,あわてて荷物をまとめて下山を開始。
 帰りは北東へ青年小屋を目指す。ハイマツの中に掘られた溝のような急な道を,ところどころに咲く白いハクサンシャクナゲを見ながら下っていく。岩が濡れて滑りやすいので,慎重に足を運ぶ。ハイマツを抜けると目の前に溶岩地帯が広がった。ひと抱え以上もある大きな溶岩が,川のように幅
200m近くにわたって行く手を遮っている。赤ペンキ印に沿って岩の上を飛び移るように渡っていくと,やっと青年小屋に到着した。
 雨がだいふ強くなったため,小屋の土間を貸してもらい昼食にする。他にも3組のパーティが同じように雨宿りにやってきた。
 昼食中,一時土砂降りだった雨もあがり,小屋を後にする。編笠山の東側の灌木(かんぼく=背の低い木)の中を,時計回りに緩やかに下っていく。道沿いには輪のように並んだ5枚の葉の上に,白い4枚の花びらを広げたゴゼンタチバナが愛くるしく咲いている。雄しべの頭が黒ゴマのように見える。
 道が針葉樹林に入り勾配が急になってくる頃,青空が広がり太陽が顔を出してきた。開けたところで休憩をとり,雨具をしまう。その先すぐが押手川。ここからは登ってきた道を戻る。夏の日射しが照りつける中,アブの襲来に悩まされながらも,無事観音平までたどり着いた。
 観音平の草原には,黄色いラッパ状のニッコウキスゲ,細長い茎がまっすぐ伸びたタチアザミ,円筒形の周囲に小さい紫色の花をつけたウツボグサなどが所狭しと花を咲かせていた。(13:30着)
 帰りは特に渋滞に巻き込まれることもなく,17時過ぎには帰宅した。

※コースの( )内は,当日各地点間の所要時間で途中の休憩時間を含む
 なお山名は,国土地理院発行「日本の山岳標高一覧」に記載されている名称(地元で一般的に使われている名)を使用していますので,深田久弥選「日本百名山」の名称とは異なるものがあります。
(例:東岳=悪沢岳,仙丈ヶ岳=仙丈岳)