━━━ (山行日記 1998年) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

・ コースの( )内は,当日各地点間の所要時間(途中の休憩時間を含む)を示しています。
 コースタイムは当日の気象条件や体調,メンバー構成などにより異なりますので,参考にされる場合は余裕を持って設定して下さい。特に「単独行」となっているものはハイペースであるため,3~5割増以上の時間を考慮して下さい。
・ 山名は,国土地理院発行「日本の山岳標高一覧」に記載されている名称(地元で一般的に使われている名)を使用していますので,深田久弥選「日本百名山」の名称とは異なるものがあります。
 (例:東岳=悪沢岳,仙丈ヶ岳=仙丈岳)


 〔目次〕

・11月3日(火)【愛鷹山 位牌岳】水神社~つるべ落としの滝~位牌岳(往復)
・11月14日(土)【天城山 八丁池】水生地下~天城峠~青スズ台~八丁池~本谷林道~水生地下
・11月21日(土)【天城山】旧天城トンネル~天城峠~八丁池~万三郎岳~万二郎岳~天城高原
・11月29日(日)【浜石岳】由比駅~浜石岳~薩捶峠~由比駅
・12月11日(金)【箱根 外輪山】足柄駅~足柄峠~金時山~明神ヶ岳~塔の峰~塔ノ沢駅
・12月13日(日)【浜石岳】青少年野外センター~浜石岳(往復)
・12月26日(土)【箱根 金時山】金時神社~金時山~丸岳~乙女峠~金時神社

 ───────────────────────────────────────

○11月3日(火)【愛鷹位牌岳】単独行
  水神社上林道 (0:35) つるべ落としの滝 (1:20) 位牌岳 (1:00) つるべ落としの滝 (0:35) 
 水神社上林道

 水神社上の林道脇(640m)に車を止める。ここから車止めゲートを通って愛鷹林道(あしたかりんどう)を進むと,10分ほどで右側に案内板がある登山口に着く。木段を登って行き,やがて水のない川を横切ると,道はだんだん細くなり勾配も険しくなる。石がゴロゴロして歩きにくい箇所もあるが,迷うようなことはない。
 再び川を横断し,反対側の斜面を登る道に入ると滝は近い。斜面を下り川に出ると,右手の奥に滝が見えてくる。つるべ落としの滝(933m)だ。川の左岸の木段を登ると滝への道がある。あいにくこの時期は水がほとんどなくとても滝とはいえないが,5月頃にはその勇姿を披露してくれる。
 滝への道を右に見送り,木段をさらに登って行くと,道は滝の上を越えて続いている。ここからは谷沿いの林の中の道となる。最近長泉町で整備した道なので,ガイドブック等には載っていないが,原生林の中とても静かで,あまり歩かれていない分,自然がそのまま残っている。道は何ヶ所かわかりにくいところがあるが,木につけた青いビニールひもなどを目印に登っていく。
 勾配がゆるやかになるあたりからが,このコースお勧めのポイントだ。5月にはミツバツツジが咲き乱れ,新緑の緑の中にピンクの花がとても見事な景色を演出してくれる。秋にはトリカブト(の仲間)やリンドウ,また花の形が大の字に似ているダイモンジソウもある。そして会の名前にもなっているホトトギスも見ることができる。
 滝から1時間で池ノ平(いけのだいら)からの尾根道と合流(1,300m)し,さらに10分ほどで愛鷹山の縦走路との合流点(1,360m)に出る。ここが東西の分水嶺だ。縦走路を右に進み位牌岳(いはいだけ
1,458m)南西の南白ガレン(みなみしろがれん:崩落地)を左に見ながら15分も登れば位牌岳山頂。
 1,458mの山頂からは展望はないが,北に少し下ると木立の間から富士山が望める。また南に少し戻ったところからは,富士方面,伊豆半島,箱根の山々まで一望でき,条件が良ければ伊豆大島まで望むことができる。
 南側の展望地でゆっくりと昼食をとり,帰りは同じ道を下山した。

 ───────────────────────────────────────

○11月14日(土)【天城八丁池】7名
  水生地下駐車場 (0:35) 天城峠 (0:20) 向峠 (0:50) 大見分岐点 (0:20) 寒天林道 (0:40) 
 青スズ台 (0:25) 八丁池 (1:00) 本谷林道 (0:25) 水生地 (0:15) 水生地下駐車場

 国道沿いの駐車場(590m)から新トンネル方向へ道路脇を歩く。天城峠(あまぎとうげ)バス停のところからが登山道だ。トンネルの脇の石段を登っていくと10分ほどで旧トンネルの前に出る。このトンネルは伊豆の踊り子で知られた観光スポットの一つだ。車も何台か駐車でき,休憩舎やトイレも整備されている。
 トンネルをバックに写真撮影をし,また登り始める。このコースは最初の天城峠への登りがきつく,ペースをつかむのに苦労する。最初はできるだけゆっくり登ると良い。つづら折りの道は15分ほどで天城峠(825m)に着く。
 峠からは山腹の北側を巻くように比較的ゆるやかな道が続く。1昨年の紅葉の時には,緑の中にちりばめた赤や黄色がとてもみごとな景色を演出していたが,今年は紅葉する前に枯れてしまったという感じでとても残念だ。それでもブナ,ヒメシャラ,カエデなどの原生林の中を歩いていると,なぜか若返ったような感じがする。
 向峠(むかいとうげ 885m)を過ぎ左下の沢にワサビ田を見送ると,展望が開けるところがあり富士山が望める。大見分岐点(おおみぶんきてん 1,005m)に近くなるあたりからしだいに登りを感じるようになるが,それでも楽な登りだ。
 大見分岐点から5分ほどで分岐点に着く。まっすぐ行くと佐賀野歩道(さがのほどう)を通って八丁池(はっちょういけ 1,170m)に直行する道だ。今回は右にコマドリ歩道に入る。八丁池周辺は天城野鳥の森としていくつかの歩道が整備されており,それぞれに鳥の名前が付けられている。
 コマドリ歩道を15分も歩くと寒天林道(かんてんりんどう)に出る。右には八丁池口のバス停へ通ずるウグイス歩道がある。林道を左に登っていき,右手の休憩舎の横をオオルリ歩道が続いている。その結構急な道を登りきると青スズ台(1,237m)に到着する。空気の澄んだ日には伊豆七島が一望できるが,今回はかすんでいて見えなかった。
 青スズ台を後にしてオオルリ歩道をゆるやかに下っていくと,先ほどの林道と合流する。林道をそのまま進み,途中佐賀野歩道と合流して登り切ったところが展望台の入口。1分ほどで行ける展望台からは八丁池が一望でき富士山,南アルプスもはっきりと望めた。
 林道へ戻って10分も下ると目的地の八丁池に到着。湖畔は芝地が広がり,弁当を広げるにはもってこいの場所だ。それぞれ持参した弁当やラーメンを煮たりして空腹を満たし,1時間ほどの休憩をとったあと帰路につく。
 来た道を少し戻ると分岐があり,そこを右に曲がると下り御幸歩道(くだりみゆきほどう)だ。歩き始めてまもなくアセビのトンネルとなる。4月頃には白く小さなつりがね状の花をたくさんつけるので,ぜひ見に来てほしい。
 道はなだらかな下りが続き,あいかわらずブナやヒメシャラなどがすばらしい。八丁池から20分ほどで白砂林道(しらすなりんどう 985m)に出る。ここまで車で来ることもできる。林道を横切って檜林の中に入り,さらに下っていく。そんなに急ではないが,テンポよく下っていくと多少膝に負担を感じる。
 道はそのうち沢沿いの斜面の道となり,やがて右に林道が見えてくる。林道に出ても良いが,そのまま山道を直進する。岩のゴロゴロした道を下ると先ほどの林道に出る。あとはこの本谷林道(ほんたにりんどう)を下るだけだ。道沿いの斜面にリンドウの花を見つけたが,ホトトギスは見つからなかった。
 林道を20分も下ると水生地(すいしょうち 640m)。そこからは旧道を15分も行けば駐車場に戻った。

 ───────────────────────────────────────

○11月21日(土)【天城山】7名
  旧天城トンネル前 (0:15) 天城峠 (0:25) 向峠 (0:45) 大見分岐点 (0:55) 八丁池 (0:45) 
 白田峠 (0:25) 戸塚峠 (0:35) 小岳 (0:05) 片瀬峠 (0:25) 万三郎岳 (0:25) 石楠立 (0:45) 
 万二郎岳 (0:55) 天城高原ゴルフ場

 旧天城トンネル(708m)前に車を止め出発。つづら折りの道を15分も登ると天城峠(あまぎとうげ
825m)に着く。いきなりのきつい登りで早くも汗をかく。峠からは山腹の北側を巻くように比較的ゆるやかな道が続く。かつて昭和天皇も歩かれたことから,上り御幸歩道(のぼりみゆきほどう)と呼ばれている道だ。紅葉は終わってしまっているが,ブナ,ヒメシャラ,カエデなど林相がすばらしい。
 向峠(むかいとうげ 885m)を過ぎ,左下の沢にワサビ田を見送ると,展望が開けるところがあり,富士山が望める。大見分岐点(おおみぶんきてん 1,005m)を過ぎるあたりから登りがきつくなってくるが,40分もすると寒天林道(かんてんりんどう)に出る。そこを登り切ると左に展望台(1,200m)の入口。1分ほどで行ける展望台からは八丁池(はっちょういけ 1,170m)が一望でき,富士山も望める。
 林道へ戻って10分も行くと八丁池に到着。湖畔は芝地が広がり休日にはハイカーでいっぱいになる場所だ。私たちも弁当を広げる。まだ道のりは2/3も残っている。
 昼食を早々に切り上げて出発する。休憩舎の横から縦走路に入っていくと,再びブナやヒメシャラの林が続く。展望はないが,道はほとんど平坦でとても歩きやすい。途中私たちの足音で驚いた動物がガサガサと笹の中を走り去る。イノシシだ。こちらもびっくりしたが,相手も驚いたことだろう。
 尾根の北側から南側に出たところが白田峠(しらたとうげ 1,165m)。ここからは尾根の南側の道となる。ところどころ足場の悪いところがあるが,アップダウンはほとんどない。何組かのパーティとすれ違う。しばらく行くと戸塚峠(とつかとうげ 1,160m)。
 ここからは標高差200m,小岳(こだけ 1,360m)への急な登りとなる。岩のごろごろした道を30分ほどかけて登り切ると,ブナの林が美しい小岳山頂。ここから片瀬峠(かたせとうげ 1,300m)までいったん下り再び登りとなる。道は幾筋にも分かれているが,どれを行っても着くところは同じ。なるべく歩きやすい道を選んで登る。
 30分ほど行くと伊豆半島の最高峰,万三郎岳(ばんざぶろうだけ 1,406m)に到着した。以前あったやぐらはなく,富士山も木立の間からわずかに望める程度。時刻のせいか(15時近く)休日はハイカーでいっぱいの山頂も人影は見あたらない。
 記念写真を撮り終ると直ちに出発。頂上直下は道が急なため慎重に下る。木の根がゴツゴツした道を進み,石楠立(はなたて 1,255m)を過ぎるとまた登りとなり,平坦になったところが馬の背(うまのせ 1,325m)。ここは堀のような道がアセビの林の中を進む「アセビのトンネル」となっている。3月末~4月頃には白い小さな花が見頃となる。
 トンネルを抜けると道はいったん下り,本日最後の登りになる。登り切る途中,右に岩場があるが,ここが本コースで一番の展望ポイント。富士山や伊豆東海岸が望める。夕暮れの空に富士山の黒いシルエットが印象的だった。
 そこから一登りで万二郎岳(ばんじろうだけ 1,300m)の山頂。展望は全くない。時刻が16時をまわり懐中電灯を用意して下山。ところどころに木段が設けられた道を下る。道は次第にゆるやかになるが,幾筋にも分かれており,歩きやすい道を選びながら進む。日が沈み暗くなってきた道を懐中電灯で照らしながら行くと,やがて涸沢(からさわ)方面からの道と合流し,無事ゴルフ場前の駐車場(1,050m)に到着(17時)した。

 ───────────────────────────────────────

○11月29日(日)【浜石岳】2名
  由比駅 (1:10) 登山道入口 (0:10) 青少年野外センター (0:15) 薩捶峠分岐 (0:15) 浜石岳
  (0:10) 薩捶峠分岐 (0:40) 立花分岐 (1:40) 薩捶峠 (0:40) 由比駅

 由比駅(ゆいえき)前を富士方面へ歩き,途中左折して県道に出てさらに進むと浜石岳(はまいしだけ 707m)の看板がある。そこを左折して住宅街の中を進むと新幹線のガードが見えてくる。ガードを越えてところどころに設置されている看板を道しるべに車道を進む。ミカン畑の中を進むにつれだんだん勾配がきつくなり,振り返ると由比の町が小さくなっている。
 車道とはいえ車でもきつい上りを1時間ちょっとで登山道入口。そこからは林の中の登山道になり,10分も歩くと青少年野外センター(545m)の広場に出る。松の木が3本たっていて三本松とも呼ばれているこの広場には双眼鏡も設置されていて,三保の松原から伊豆半島までの駿河湾が一望できる。
 広場を横切り,アスレチック施設の横を通って再び山道にはいる。林の中の斜面を横に進むと,まもなく薩捶峠(さったとうげ 100m)からの道と合流する。そこを右に折れ林の中の広い尾根道を行くと,やがて山頂に到着する。
 山頂は広い芝地になっており 360°の展望が得られる。この日は残念ながら南アルプスは望めなかったが,富士山から愛鷹山(あしたかやま),箱根,天城の山々,そして広大な駿河湾まで,標高700mほどの山にしてはすばらしい景色が堪能できた。
 山頂で昼食をとり下山。途中まで同じ道を戻り分岐から薩捶峠方面へ。2,3箇所ロープが設置されている急な下りがある。ここを登るのは大変だなぁといいながら,展望の全くない林の中の尾根道を進む。雨降りの後では滑りやすい乾いた土の道が続く。
 40分も歩くと立花(たちばな)地区への下り道が分かれる。アップダウンを繰り返し,展望のない道をひたすら歩き続けていると急な下りとなる。ミカン運搬用のモノレールが見えてくると,道はミカン畑の中の通路となり,海が見えたところで車道に出る。車道を南に下ると駐車場と建物が見えてくる。東海道の由比と興津宿の中間に位置する薩捶峠だ。そこには展望台があり,目の前に駿河湾が広がる。江戸時代には旅人が歩いて越えた峠の下を,今では日本の大動脈である東海道本線,東名高速道路,国道1号線が並んで走っている。
 休憩後峠を後にする。興津駅(おきつえき)までのが距離が短いが,今回は由比駅に戻ることにした。

 ───────────────────────────────────────

○12月11日(金)【箱根外輪山】2名
  足柄駅 (1:20) 足柄峠 (1:25) 金時山 (0:30) 矢倉沢峠 (1:05) 火打石岳 (0:55) 明神ヶ岳
  (0:25) 宮城野分岐 (0:40) 明星が岳 (1:10) 塔の峰 (0:50) 塔ノ沢駅

 御殿場線上り始発電車で足柄駅(あしがらえき 330m)へ。踏切を渡り川沿いの林道を川のせせらぎを聞きながら足柄峠(あしがらとうげ 735m)を目指す。途中一旦舗装道に出てジグザグの道を進み,細い山道を登るとそこは足柄峠。峠からさらに尾根の林道を進むと目前に金時山(きんときざん 1,213m)が迫ってくる。最後は箱根で一番の急な登り。ところどころに金属製の階段やロープが設置されている。石を落とさないように慎重に登ると,30分ほどで山頂に到着。
 大きな富士山(ふじさん 3,776m:1st)をバックに写真を撮り,たっぷり休憩をとった後,次の目的地の明神ヶ岳(みょうじんがたけ 1,169m)へ出発。急な下り坂をスリップに注意しながら下りきると矢倉沢峠(やくらさわとうげ 865m)。そこからは展望の開けた笹原の尾根道を進む。風が心地よく「冬の尾根道もいいね」などと会話を交わしながら,上り下りを繰り返す。途中から林の中に入り火打石岳(ひうちいしだけ 989m)を過ぎると,明神ヶ岳の登りが目前に。そのころから風が強くなり,山頂に近くなる頃には立っているのもやっとの強風。風をよける場所のない山頂を避けて,手前の林の中で昼食休憩。
 明神ヶ岳山頂からは白い噴気がもうもうと立ち昇る早雲山(そううんざん 1,244m)の地獄谷が間近に見え,金時山を従えた富士山や愛鷹連峰,丹沢の山々,小田原市街,遠くには伊豆大島まで360°の大パノラマが広がる。残念ながら強風と寒さのため山頂では写真を撮っただけで早々に下山。急な道を下り,宮城野(みやぎの)への道を右に見送って明星ヶ岳(みょうじょうがたけ 924m)へ。大文字焼きが行われる明星ヶ岳の山頂は尾根の一部のようで,標識がなければ山頂とわからないほど。
 そこからは長い下りの尾根道が続き,途中一旦舗装道へ出てゆるやかに登り返すと展望のない塔の峰(とうのみね 566m)山頂。休憩後,森の中の急なジグザク道を慎重に下り,阿弥陀寺(あみだじ)の脇を通って塔ノ沢駅(とうのさわえき 170m)に。
 朝7時の歩き始めから10時間,行程約21km,歩数45,000歩,累積標高差1,600mのハードなコースだったが,充実感に満ちた山歩きができた。

 ───────────────────────────────────────

○12月13日(日)【浜石岳(はまいしだけ)】22名
  青少年野外センター (0:45) 浜石岳  (往復)

 社内外から22名が参加。当日は晴天で風もなくとても暖かな中,青少年野外センター下の駐車場
(545m)を出発。センターの広場から山道に入り,林の中を一列になって進むと20分ほどで薩捶峠(さったとうげ)からの道と合流。広い林の中をさらに登るとやがて広々とした山頂(707m)に到着した。
 そこから見る雄大な富士山の姿と大きく広がる駿河湾の青さはとても印象的。昼食には事務局でとん汁を用意。キャッチボールをしたり子供と戯れ?たり,楽しいひとときを過ごした。

 ───────────────────────────────────────

○12月26日(土)【金時山】6名
  金時神社 (1:10) 金時山 (0:50) 乙女峠 (0:35) 丸岳 (0:25) 乙女峠 (0:35) 金時神社

 仙石原(せんごくばら)の金時神社(きんときじんじゃ 695m)から林の中を進む。途中林道を横断し,金時宿り石(やどりいし)を過ぎる頃から登りがきつくなってくる。ちょっとペースが速すぎたため,いったん休憩しペースを遅くする。ジグザクの道を確実に高度を稼いで行くと,右手に景色が開けてくる。箱根中央火口丘(かこうきゅう),神山(かみやま 1,438m)から芦ノ湖,仙石原が眼下に広がっている。
 少し行くと明神ヶ岳(みょうじんがたけ 1,169m)への分岐(1,050m)。ここで休憩をとり最後の登りに出発。最初は滑りやすい土の道,途中から岩のゴロゴロしたきつい登りをゆっくり登っていく。トタンの小屋が見えたら,そこが金時山(きんときざん 1,213m)頂上だ。
 天気は快晴で,雄大な富士山(ふじさん 3,776m:1st)の隣には南アルプス北岳(きただけ 3,192m:
2nd)もはっきりと望め,日本1,2位の山のツーショットに一同感激。年末というのに山頂はたくさんのパーティでいっぱい。さすが人気の山だけある。私たちは金時娘のおでんをつまみにビールで乾杯し,昼食。
 長めの休憩をとった後,乙女峠(おとめとうげ 1,005m)方面へ下山。尾根伝いの道はところどころ岩場があり,ロープや手を使って下る。すれ違うパーティも多く,中には5歳くらいの小さな子供もいる。途中で高校の教員夫妻と出合い,一緒に休憩をとり会話を交わす。これから湖尻(こじり)まで行くということなのでルートを教えてあげた。
 途中長尾山(ながおやま 1,144m)を越えると乙女峠への長い下りとなる。勾配は急ではないが,丸太の段が雨で洗われてほとんどなくなっているため,とても滑りやすい。「お尻を汚したら車に乗せないよ」と言われて一同足の運びも慎重になる。全員無事きれいなお尻で?乙女峠に到着。予定ではこのまま金時神社へ戻る予定でいたが,時間も早く物足りないメンバーもいたため,相談の上,丸岳(まるたけ 1,156m)まで足を延ばすことにした。
 道はなだらかな尾根道で30分ほどで丸岳山頂へ。先ほどの金時山が遠くに見える。芦ノ湖から仙石原,明神ヶ岳までの山並みが美しい。
 帰りは当社無線局を左に見ながらもときた道を乙女峠へ。峠からはジグザグの小石の多い道を20分ほど下り国道へ出る。そこからは道路脇を金時神社へ戻った。帰りは御殿場温泉(\500/2時間)で汗を流して一休み。とてもすがすがしい1日だった。

※コースの( )内は,当日各地点間の所要時間で途中の休憩時間を含む
 なお山名は,国土地理院発行「日本の山岳標高一覧」に記載されている名称(地元で一般的に使われている名)を使用していますので,深田久弥選「日本百名山」の名称とは異なるものがあります。
(例:東岳=悪沢岳,仙丈ヶ岳=仙丈岳)